相続・贈与に関する基礎知識、節税対策、手続き方法
- 山口ねろ

- 2024年4月19日
- 読了時間: 9分
更新日:2024年4月21日

こんにちは。山口です😄
ブログを見ていただき、ありがとうございます🙏✨
今回は、超高齢化社会を迎えるにあたり、多くの方にとって重要なテーマである
「相続・贈与」について、
基礎知識から節税対策、具体的な手続き方法まで、
できるだけ分かりやすく解説していきます。
とても覚えきれない内容だと思いますので、今回のブログ記事をブックマークするなど、いざという時に参考にしていただければ幸いです。
◆はじめに
相続や贈与は、
亡くなった方の財産を円滑に次の世代へ承継するために必要な手続きです。
できるだけ早い準備が望ましいところですが、
「縁起が悪い」というような心情的な理由で、先延ばしにしてしまわれがちです。
しかしながら、相続はある日突然やってきます。
遺されたご遺族が幸せに生きていくための準備ですので、
常に相続する側、される側としての知識を付けておくことで、準備をしておくと良いと思います。
また、近年は相続に関するトラブルが非常に増加しており、
適切な知識や専門家のアドバイスなしに行うと、思わぬ問題に発展してしまう可能性もあります。
「自分は相続なんて無縁だ。うちは財産なんて無いから」
そう思っていても、プロが調べたら財産が出てきた、なんていうケースも沢山あります。
また、放っておいたら親の借金を相続してしまった、などという事態にもなりかねません。
今回のブログ記事では、
相続・贈与に関する基礎知識、節税対策、具体的な手続き方法について、
できるだけ分かりやすく解説したいと思います。
◆相続・贈与とは?
1. 相続
相続とは、人が亡くなったときに、
その財産が法律によって定められた相続人に、自動的に承継されることを指します。
相続人は、民法で定められており、配偶者、子供、親、兄弟姉妹などが該当します。
(亡くなった方の事を、「被相続人」といいます。)
2. 贈与
贈与とは、生きている間に財産を無償で他人に譲渡することを指します。
贈与は、相手が同意すれば、自由に財産を譲渡することができます。
◆相続・贈与の必要性
相続や贈与は、財産を円滑に次の世代へ承継するために必要な手続きです。
適切な手続きを行わないと、以下のような問題が発生する可能性があります。
相続人間でのトラブル 相続人同士で遺産の分割について意見が対立し、トラブルに発展する可能性があります。これは非常によく目にしますので、できれば相続が発生する前に専門家に相談しておく事が望ましいです。
税金の支払い 相続税や贈与税などの税金が課税される可能性があります。 あらかじめ準備をしておかないと、納税資金が足りずに大変なことになってしまうケースもあります。
財産の管理 財産を適切に管理できず、価値が下落してしまう可能性があります。 特に不動産は管理・活用の方法によっては、負の資産にも、プラスの資産にもなり得ます。
◆相続・贈与の基礎知識
1. 相続に関する基礎知識
法定相続人 民法で定められた相続人です。配偶者、子供、親、兄弟姉妹などが該当します。
遺産 相続人が受け継ぐ財産です。不動産、預貯金、株式、貴金属など、様々な財産が含まれます。
相続税 遺産の総額が一定額を超えると課税されます。課税対象となるのは相続人です。
2. 贈与に関する基礎知識
贈与税 贈与を受けた財産の価額が一定額を超えると課税されます。課税対象となるのは受贈者(財産をもらう方)です。
贈与税の非課税枠 年間110万円までの贈与は非課税となります。
贈与税の控除 配偶者や子供・孫への贈与は、一定額の控除を受けることができる場合があります。次のパートで詳細に触れていきます。
◆相続・贈与の節税対策
相続よりも早い段階で財産を贈与することでのみ利用できる控除がいくつかあります。
財産の一部または全部を生前に贈与するなどの方法で、相続時の税金を圧縮できる場合があります。以下、贈与に関する控除や非課税制度について、6つご紹介します。
1. 暦年課税の基礎控除を利用する
暦年課税は贈与税の課税方式のひとつで、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産の合計に対して課税される方式のことです。1人当たり年間110万円の基礎控除額があるため、贈与を受けた金額が110万円以下なら贈与税の申告が不要となります。
2. 贈与税の配偶者控除を利用する
配偶者への贈与には、2,000万円までの控除を受けることができるため、この制度を利用して節税できる場合があります。
一生に1回しか使えないですが、年間110万円の基礎控除と合わせ、最大で2,110万円の非課税贈与が可能です。
3. 相続時精算課税制度を利用する
相続時精算課税制度は、生前に贈与を行った財産を、相続時にまとめて課税する制度で、2,500万円までの控除を受ける事ができます。相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人数」なので、2,500万円の控除である本制度はメリットがないように思えますが、この制度の最大の特徴として、贈与時の評価額で相続税の計算を行うため、将来的に値上がりが期待できる不動産を贈与時の低い評価額で相続税の計算対象とすることで、節税効果が期待できます。
4. 教育資金の一括贈与制度を利用する
この制度は、直系尊属(祖父母、父母等)から30歳未満の孫もしくは子へ、教育資金に充てるための財産を一括で贈与した場合に、贈与税が非課税となる制度です。
最大1,500万円まで贈与税が非課税で、教育資金のみに充てることができますが、
受贈者が30歳を超えると非課税対象とならないため早めに使い切る必要があるなど、注意すべき点もいくつかあります。
5. 結婚・子育て資金の一括贈与制度を利用する
この制度は、直系尊属(祖父母、父母等)から18歳以上50歳未満の孫もしくは子へ、結婚・子育て資金に充てるための財産を一括で贈与した場合に、最大1,000万円まで、贈与税が非課税となる制度です。
こちらは受贈者が50歳を超えると非課税対象とならないなど、教育資金の一括贈与制度と同様の注意点があります。
6. 住宅取得資金の贈与税非課税制度を利用する
この制度は、直系尊属(祖父母、父母等)から18歳以上50歳未満の孫もしくは子へ、自己の居住の用に供する住宅の新築、取得、増改築等の対価に充てるための金銭を贈与する場合に、最大1,000万円まで贈与税が非課税となる制度です。
◆相続・贈与の手続き方法
1. 相続の手続き
死亡届 亡くなった方の死亡届を役所に提出します。死亡を知ってから7日以内に提出する必要があります。 死亡診断書を受け取った日も期間に含まれるので気をつけましょう。 ただし、7日目が役所の閉庁日に重なった場合は翌日までに提出すれば問題ありません。
財産調査 亡くなった方の遺産がどのくらいあるかを調査する遺産調査、 相続人は誰なのかを調査する相続人調査を含みます。 正確な調査が必要になりますので、税理士・弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に依頼する事が望ましいです。
遺産分割協議 相続人同士で遺産を分割します。当事者同士での話し合いはトラブルになりやすいので、こちらもやはり税理士・弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に取りまとめを行なってもらい、協議書を作成してもらう事が望ましいです。
相続登記 相続財産に不動産が含まれる場合、所有権の名義を相続人に変更します。不動産登記は権利を公に表すための非常に重要な作業になりますので、司法書士に依頼する事が一般的です。 また、相続登記は今年(令和6年)の4月より義務化され、 その所有権の取得を知った日、または遺産分割協議の成立から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の適用対象となるため、注意が必要です。
相続税の申告・納付 相続税の申告期限は、被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内です。 申告期限を過ぎてしまうと、延滞税が課税されるだけでなく、最大50%の加算税が課税される場合もありますので、注意が必要です。
その他の手続き -銀行口座の名義変更 -証券会社の口座の名義変更 -自動車の名義変更 -健康保険・国民年金の資格喪失手続き -各種契約の名義変更・・など
2. 贈与の手続き
贈与契約 贈与契約書を作成し、贈与契約を締結します。
所有権移転・名義変更手続き 贈与財産が不動産の場合は所有権移転登記を行う必要があります。 相続のパートで説明させていただいた通り、登記申請は司法書士に依頼する事が一般的です。
贈与税の申告・納付 贈与税の申告を行います。贈与税の申告期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。 申告期限を過ぎてしまうと、延滞税が課税されるだけでなく、最大50%の加算税が課税される場合もあります。
◆マイナスの財産の相続
相続というと、不動産や預金などを連想しがちですが、マイナスの財産、つまり借金も相続の対象となります。この場合、当然ですがプラスの財産を相続する場合とは異なる注意点がいくつかあります。
どのような対応が考えられるのか、ご紹介します。
1. 相続放棄を検討する
借金の額がプラスの財産よりも多い場合は、相続放棄を検討する必要があります。
相続放棄は、家庭裁判所に申述することで、被相続人の全ての財産を放棄することができ、借金の返済義務から逃れる事ができます。
相続開始を知った日から3ヶ月以内に手続きを行う必要があり、相続放棄をした後は、被相続人の財産を一切処分することができなくなります。
2. 限定承認を検討する
借金の額がプラスの財産よりも少ない場合は、限定承認を検討する必要があります。
限定承認は、家庭裁判所に申述することで、被相続人の財産のうち、プラスの財産の範囲内で相続することができます。
限定承認をすることで、借金の返済義務は、プラスの財産の範囲内のみとなります。
限定承認も相続放棄同様、相続開始を知った日から3ヶ月以内に手続きを行う必要があります。
3. 相続人同士で話し合う
相続人同士で話し合い、借金の返済方法について合意することができれば、相続放棄や限定承認をする必要はありません。
話し合いでは、以下の点について検討する必要があります。
・借金の返済方法
・プラスの財産の分配方法
・相続人間の今後の関係
話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができますが、いずれの方法を取るにしても、専門家の力を借りることで相続をスムーズに進める事ができますので、トラブルを防止する意味でも、相続に関しては弁護士や司法書士にご相談される事をおすすめします。
◆まとめ
相続・贈与は、人生の重要な節目における重要な手続きです。
誰もが相続人、被相続人になる可能性があります。
また、冒頭で申し上げました通り、相続はある日突然やってきます。
準備は早いに越したことは無いと思いますので、今のうちにできることから始めてみてはいかがでしょうか。
全ての内容は覚えきれないと思いますので、今回のブログ記事をブックマークするなど、いざという時に参考にしていただければ幸いです。
また、制度等は執筆時点での内容をご紹介しておりますので、今後変更がある可能性がございます。ご承知おきください🙇
相続のことで困っている、どうしたら良いのか相談したいということがございましたら、
こちらからお気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました🙏✨




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