共有不動産の処分方法

こんにちは😄

山口宅建士事務所代表の山口ねろです。

先日の記事でも少しだけ触れましたが、「共有不動産」とは、複数人で所有権を持つ不動産の事です。このことから、「共有持分」とも呼ばれます。

相続、離婚、贈与など様々な経緯で共有関係が発生しますが、いざ処分となると、複雑な手続きや関係者間の調整が必要となり、円滑な解決が難しい場合も少なくありません。

本記事では、共有不動産の処分方法について、円滑な解決に向けて役立つ情報を網羅的にご紹介します。

◆共有不動産とは？

まず、共有不動産とは、複数の名義人が共同で所有権を持つ不動産のことを指します。共有の割合は、各名義人の権利の強さを示し、通常は登記簿謄本の甲区に「持分◯分の◯」という具合に、誰がどのくらいの持分を所有しているかが記載されています。

◆共有不動産の処分方法

共有不動産の処分には、大きく分けて以下の3つの方法があります。

1. 協議による現物分割

共有者全員が合意すれば、不動産を物理的に分割してそれぞれが単独所有者になることができます。分割方法は、土地の場合は筆界変更登記、建物は区分所有建物登記を行います。

しかしながら、建物や土地の形状などの状況により、現実的には現物分割が難しい場合が多いです。

2. 全体売却

共有者全員が売却に合意すれば、全ての共有者が所有する持分を一括して売却し、売却金を分配することができます。この方法は通常の１分の１の所有権の物件と同等の市場価値を担保できるため、最も高額で売却することが期待できます。

ただし、共有者間での協議が整わないと実現させることができません。

資金に余裕があれば、他の共有者の持分を全て買い取ってしまい、１分の１の所有権にしてしまうというのも選択肢です。

3. 部分売却

共有者の一部が売却に合意できないなど、協議が整わない場合、持分の一部だけを売却することも可能です。持分のみの売却も原則として所有者が自由に行うことができますが、１分の１の完全な所有権に比べて市場価値は大幅に下がるため、注意が必要です。第三者に売却する、他の共有者に買い取ってもらうなどの手段があります。

4. 競売

共有者間で合意が得られない場合、家庭裁判所に共有不動産全体の競売を申し立てることができます。競売では、不動産が強制的に売却され、売却金が共有者間で分配されます。

近年では競売での落札価格も上昇傾向にありますが、一般的には、市場で売却するよりも価格は下がります。ただし手続きに時間がかかり、揉め事になるリスクもあるので、弁護士などの専門家への相談が必須です。

◆共有不動産の処分における注意点

共有不動産の処分には、以下のような注意点があります。

1. 不動産全体を処分するには共有者全員の合意が必要

共有不動産全体を処分するには、共有者全員の合意が必要です。たとえ一部の共有者だけが売却を希望しても、他の共有者の同意がなければ基本的には処分することはできません。

2. 遺産分割協議

不動産を共同相続した場合、遺産分割協議で共有持分割合を確定する必要があります。

共有不動産の処分は、早めに話し合いを始めることが重要です。共有者間で意見の相違が生じた場合は、早めに弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

3. 部分売却を行うには、専門知識のある業者への依頼が必要

自分の持分だけ売却するなど、共有不動産を部分売却することはなかなかハードルが高いと言えます。大手の仲介業者などはなかなか対応に慣れていないため、共有者と一緒に全体売却する事を勧められる可能性が高いです。

部分売却を進める場合は、一般の消費者相手ではニーズがなく、売却することは困難ですが、専門の買取業者を探して売却する事ができます。

ただ、前述のとおり市場価値は大幅に下がりますので、その部分は覚悟の上、複数者に相見積もりを取ると良いでしょう。

◆まとめ

不動産の相続が発生したら、共有の不動産となる可能性をまず頭に入れて、今回の記事の内容を思い出していただければ幸いです。

遠い親戚の財産を知らぬ間に相続してしまうような事もあるので、普通には利用できない共有の不動産の処分でお困りになりましたらお気軽にご相談ください。

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僕は共有不動産などの法的瑕疵（かし）物件を専門に、買取、販売含めてこれまで400件超の取引を経験してきました。

経験を活かし、どのように解決していけば良いか、状況に合わせてアドバイスいたします。

最後まで読んでいただき、有難うございました🙏✨