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不要な不動産を相続したら?賢い処分方法と知っておくべきポイント

  • 執筆者の写真: 山口ねろ
    山口ねろ
  • 2024年4月29日
  • 読了時間: 5分

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こんにちは😄

山口宅建士事務所代表の山口ねろです。



近年、少子高齢化やライフスタイルの変化により、相続で不要な不動産を所有するケースが増えています。

しかし、固定資産税や管理費などの維持費がかかるだけでなく、需要のない物件であれば処分も容易ではない場合が多く、大きな悩みを抱える方も少なくありません。




本記事では、不要な不動産を相続した場合の処分方法について、詳しく解説します。

また、2023年4月から施行された「相続土地国庫帰属制度」についても紹介し、最適な選択を行うためのヒントを提供します!




1. 相続した不動産の状況を把握する



まず、相続した不動産の状況を把握することが重要です。具体的には、物理的なハード面、法令や権利関係などのソフト面で以下の点を確認しましょう。専門家に相談しないと判断が難しい部分も多いかと思います。




・ハード面



【立地・周辺環境】


当然ですが都心部や駅近など、立地の良い物件は売却しやすい傾向があります。

逆に過疎地や山林、農地などは売却が困難な傾向があります。また、物件周辺の環境も不動産の価値に大きく影響してくるので、確認が必要です。




【土地の形状・建物の種別】


土地の形状や広さ、建物の用途や種別によって、処分の難易度が変わってきます。

物件の所在エリアによって、どのような形状・種別の物件が需要があるのかも変わってきます。




【物件の状態】


老朽化の進んだ物件や、草木が生い茂った土地は、修繕費用、解体費用、伐採費用などがかさむ可能性があります。




・ソフト面



【権利関係】


所有権が自分一人なのか、複数人で共有になっているのかで、処分の進め方も大きく変わってきます。共有名義になっている場合の処分の仕方については、また後日別記事でまとめたいと思います。また、金融機関などから抵当権が設定されていないかどうかも重要なポイントになります。




【法規制】


都市計画法や建築基準法などの法規制により、建物の用途や高さなどが制限されている場合があります。中には、現状で建物が建っていても法規制により再建築ができない「再建築不可物件」などもあります。再建築不可物件の場合、不動産の価値は大きく下がってしまいます。



以上、これらの情報を把握することで、最適な処分方法を検討することができます。

法規制などはインターネットでもある程度調べることも可能です。




2. 主な処分方法



不要な不動産を処分するには、主に以下の方法があります。



【売却する】


不動産業者に依頼して売却します。

仲介を依頼するのか、買取を依頼するのかでメリットデメリットがあります。

詳細はこちらの過去記事をご覧ください。




【引き取り業者に依頼する】


山林や農地など、需要が限定的な不動産の場合、不動産業者に依頼しても売却が困難なケースも多々あります。そのような不動産の場合、固定資産税などの税金や維持費だけで費用がかかってしまうので、所有者としてはできるだけ早急に手放したいものです。そういった物件を有償で引き取っている業者も存在します。




【国庫帰属制度を利用する】


2023年4月から施行された「相続土地国庫帰属制度」を利用して、不要な不動産を国に譲渡する事ができます。ただし、いくつかの要件を満たす必要があり、申請者が10年分の管理費相当の負担金を納付する必要があるなど、注意点もあります。

詳細は以下、法務省のサイトをご確認ください。https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00457.html#mokuji1




3. 業者への依頼は慎重に



近年、不要な不動産を「0円で引き取ります」とうたう業者が増えています。

しかし、これらの業者はどのように利益を得ているか考える事が重要です。


一つ目のパターンは、本当に売却が困難な山林などの物件の場合、国庫帰属制度と同様の理屈で、向こう10年分の管理費など多めの維持費を請求し、そういった物件を大量に保有する事で利益を得ています。

おそらくこのような業者は将来的な事業の発展は考えておらず、当面のキャッシュフローだけを目当てに運営を行なっていると考えられます。


二つ目のパターンでは、実際は需要が見込める物件を「この物件は買い取ってくれる業者はいませんね。逆にお金を払って処分を依頼するような物件ですよ。ただ、うちは特別に0円で引き取りできますよ」などと半ば騙すような事を言って、無償で物件を取得して、その後転売し、利益を得ている業者も存在します。



このように、不動産業者は消費者との知識の差を利用して儲けようとする業者も少なからず存在するため、注意が必要です。





4. 不動産を相続する前によく検討する



不要な不動産は、相続してしまった以上は何らかの形で処分しなければなりません。

また、売却が困難な不動産を、費用をかけずに手放すことは難しいということは、これまでの解説でご理解頂けたと思います。


ただ、相続する前でしたら相続放棄という選択肢も考えられます。

数字上の相続税評価額では価値が十分にあると思える物件でも、需要が無く売却が困難なケースや、実際には維持管理などに多大な費用がかかり、維持していくだけで非常にお金がかかってしまい、マイナスの資産となってしまうケースもあります。


そのため、不動産の相続の場合、税理士や弁護士だけではなく、取引の現場を熟知している不動産の専門家にも相談されることをお勧めいたします。その上で、不動産以外の相続財産の価値と総合的に考えて、相続するか否かの判断をされると良いと思います。





5. まとめ



不要な不動産を相続した場合、売却、引き取り依頼、国庫帰属などの処分方法があり、それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるとお伝えしました。

ご自身の状況や希望に合わせて最適な方法を比較、検討することが重要です。


何よりもまず、相続する可能性のある不動産が存在する場合、早めにその不動産の実質的な価値を評価しておく事が重要です。不動産の査定や鑑定にに正解はなく、どんな専門家でも完璧な査定はできません。

そのため、できるだけ中立的かつ、多角的な視点で不動産の価値を評価する事が肝心です。



以前の記事でもお伝えしたように、相続は突然やってきます。

親や親戚などが不動産を所有している方は、その不動産がご自身の所有物になったときの事を早めに考えておかれる事をお勧めします。



最後まで読んでいただき、有難うございました🙏✨




参考リンク

国土交通省: https://www.mlit.go.jp/

相続土地国庫帰属制度: https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html


 
 
 

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